当院の胃カメラについて
当院では苦痛や不快感を抑えた胃カメラ検査を行っています。
胃カメラ検査では、先端に小さいカメラを付けた細いスコープを口や鼻から挿入して、食道・胃・十二指腸といった消化管粘膜をリアルタイムで観察します。特殊な光や染色液などを使うことで微細な病変の発見も可能であり、検査中に見つけた疑わしい病変の組織を採取することもできます。採取した組織は病理検査によって確定診断につながります。
当院の内視鏡システムでは極細のスコープを導入しているため、口から行う経口検査に比べて大幅に苦痛を軽減する経鼻内視鏡検査が可能です。経鼻内視鏡検査では、触れると反射的に強い嘔吐感を起こす舌の奥にスコープが直接当たることがないため、楽に検査を受けられます。
また、粘膜のヒダやシワの奥も確認するため送気を行いますが、空気に比べて200倍吸収が速い炭酸ガスを使うため、お腹の張りが残ることもありません。この炭酸ガスは吸収後、二酸化炭素になって呼気として自然に排出されるため安全性も高く、お体への負担も軽減できます(肺気腫の方など、一部使用できないケースもあります)。
また、胃カメラ検査に苦手意識がある方、不安で緊張してしまう方、経鼻内視鏡が適応できない方には、鎮静剤によって眠っているような状態で検査を受けていただくことも可能です。
胃カメラを受けるタイミング
胃がんは初期症状がほとんどなく、かなり進行しても日常的な胃炎程度の症状しか起こさないことが多くなっています。そのため、転移を起こして他の部分に症状が出て、はじめて胃がんがあることが発見されるケースもあります。胃がんは日本で罹患率や死亡率が高いがんですが、症状のない早期に発見して適切に治療を受ければ完治も望める病気です。
早期発見のためには、リスクが高まる40歳を超えたら定期的に胃カメラ検査を受けることをお勧めします。胃カメラ検査であれば、症状がない早期の微細な胃がん、前がん病変、胃がんリスクの高い萎縮やピロリ菌感染などを発見でき、適切な治療や予防につなげられます。
ご自分のために、そして大切なご家族のために、症状がなくても40歳を超えたら胃カメラ検査を受けるようにしましょう。
当院の特徴
眠っている間に受けられる検査
舌の根本にスコープが当たると強い嘔吐反射が起こります。当院ではこの反射を起こさないために細いスコープを用い、鎮静剤を使ってウトウトと眠っている状態で検査を受けていただいています。全身麻酔のように深く眠り込んでいるわけではありませんが、リラックスした状態になるため苦痛のない検査を受けられます。また、体の緊張がない分、スムーズな検査が可能になって検査時間も短縮できます。鎮静剤を使用した場合には検査当日の自動車・自転車の運転をお控えいただいております。
経鼻内視鏡に対応
経口内視鏡では、口から挿入されるスコープが舌の根元に絶えず触れます。ここはなにか触れると強い嘔吐反射が起こる場所で、細いスコープを使って麻酔や鎮静剤を適切に用いなければ経口の胃カメラ検査は強い苦痛を起こしやすいのです。
歯磨きの際にオエっとなりやすい場合、経口内視鏡は特につらい検査になりやすく、そのことで胃カメラ検査に苦手意識を持つ方も多くいらっしゃいます。
当院では、鼻から挿入する経鼻内視鏡を楽に受けていただける、極細のスコープを導入しています。経鼻内視鏡では舌の根本にスコープが直接当たることがありません。そのため、検査による苦痛が大幅に軽減でき、局所麻酔も少ない量で十分な効果を得られるため、お体への負担が少なくなっています。
最新鋭の内視鏡システム
当院では、大学病院などの高度医療機関に導入されている最新機器と同等の最新鋭内視鏡システム『EVIS LUCERA ELITE』を導入しています。内視鏡分野で長く世界をリードしてきたオリンパス社の最新鋭機器で、検査経験豊富な医師の高い技術力を存分に生かした検査が可能になります。
極細のスコープの先端部外径はわずか5.4mm、挿入の際の負担も大きく軽減できます。また、スコープは細いだけでなく、しなりや柔軟性が高く、医師が手元で行う繊細な操作を先端まで正確に伝えて安全性と正確性の高い検査を実現できます。明るいレーザー光で照らせるため、先端の超小型CCDカメラで高精細な画像を得られ、特殊な光を使用した観察により、微細な病変を発見することも可能です。
NBI
NBIは、一般的な観察に用いる白色の通常光に加え、波長を変えて青や緑などの特殊光による観察ができる内視鏡診断システムです。これにより、通常光では確認できない粘膜表層の血管を強調して表示させることができます。がんには周囲に毛細血管を集めるという性質があるため、NBIによる観察で微細な早期胃がん、早期食道がんの発見が可能になります。NBIは手元の操作で通常光と特殊光を簡単に切り替えできるため、スピーディで負担なく精緻な検査を行うことができます。
高精細なハイビジョンモニター
内視鏡のカメラで得た画像を高精細な大型ハイビジョンモニターで確認しながら検査を行うため、微細な病変を一目で発見でき、正確な検査を短時間に行うことが可能です。モニターは反射や映り込みがないため、位置を変えてもしっかり確認できます。また角度なども簡単に変えられるため、ご希望があれば患者様が検査中に画像を確認することもできます。
土日検査対応
当院では、土曜日にも胃カメラ検査を受けられます。平日はお仕事で忙しく、なかなかスケジュールを作れない方でも、お仕事を休まずに検査を受けられます。また、月2回程度ですが、日曜日の胃カメラ検査も行っています。当院はサミットストアの2階の医療モール内にあり、サミットストアの3階・屋上の100台規模の無料駐車場を自由に利用できます。内視鏡検査時に鎮静剤の使用を希望される場合、検査後に本人が自動車を運転することは禁止しておりますのでご注意ください。
緊急検査への対応
緊急性を要する患者にも可能な限り対応しております。突然の激しい胃痛、嘔吐、少量の吐血などに対し、あらかじめ胃カメラ検査の緊急枠を用意して発症当日での検査対応をできるだけ行っております。朝食を取らずに、朝9時の段階でお電話をいただければ「当日検査可能かどうか」症状、状況に応じてご相談可能です。
感染予防を徹底した衛生管理
当院では清潔に徹底的にこだわっています。胃カメラ検査に関しても、使い捨て可能なものはディスポーザブル製品をできる限り用いています。処置具など使い捨てできないものに関しては、学会で定められた厳格なガイドラインに沿って洗浄・滅菌しています。検査ごとにこうした洗浄・滅菌したものだけを用いることで、感染予防に努めています。
胃カメラの流れ
Step1検査前日~当日のご来院前まで
前日の夕食は、夜9時までにすませ、それ以降は検査終了まで絶食です。飲酒も禁止です。
胃粘膜を見落としなく観察するために、検査時には胃に内容物のない状態が必要です。飲み物もできるだけ控えてください。ただし、脱水の可能性がある場合には、透明で糖分などが含まれていない水を飲むようにしてください。
普段、薬を飲んでいる方は、事前に医師と相談し、その指示に従って服薬・休薬してください。
当日の朝は、飲食せずにご来院ください。喫煙も検査後まで禁止です。
Step2検査
検査では、上着を脱いで、ネクタイ・ベルトをゆるめ、アクセサリーを外す程度で、着替える必要はありません。
検査前の処置
- 経鼻内視鏡検査の場合は、鼻腔への局所麻酔を行います。
- ベッドで左を下にする横向きになっていただきます。
- 鎮静剤を使用する場合、右前腕に点滴をつなぎ投与します。
検査を行います。なお、検査中に病変を発見した場合、内視鏡で組織を少し採取します。この時も痛みはありませんので安心してください。
楽に受けるためのポイント
緊張して体に力が入っていると不快さを感じやすくなるため、リラックスを心がけてください。意識して呼吸をゆっくり行う・肩の力を抜くだけでも効果があります。
Step3検査後
鎮静剤を用いない経鼻内視鏡検査の場合、局所麻酔の効果が切れたら飲食が可能です。鎮静剤を使用した場合は、1時間程度院内でお休みいただきます。
Step4結果の説明
診察室で画像を見ながら検査結果についてご説明を受けます。その後、お会計をすまし、ご帰宅となります。
病理検査を行う場合は後日結果を聞きにご来院していただきます。
検査費用の目安
1割負担 | 3割負担 | |
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初診(感染症採血含む) | 約700円 | 約2,000円 |
胃内視鏡(胃カメラ)検査のみ | 約2,000円 | 約6,000円 |
胃内視鏡検査+病理検査 | 約3,000~4,000円 | 約10,000円 |
胃内視鏡検査+ピロリ菌検査 | 約2,500円 | 約7,500円 |
※初診料、採血代は別途必要となります。